黒の試走車

映画を見るのも仕事のうちです(言い訳)。鑑賞されるのを待っていたDVD第2弾として『黒の試走車』(1962年)を選びました。原作は梶山季之。映画のタイトルには「試走車」に「テストカー」のルビが振ってあります。

ライバル会社を出し抜くために非道を働いてまで機密を盗み出すサラリーマン・スパイの世界を描いています。小説は小説で文章の世界に引き込まれますが、映画は映画で芝居の世界に引き込まれます。主演は田宮二郎ですが、主役は高松英郎ですね。それに、叶順子のアンニュイな感じがいい。

劇中では初代クラウン(1955年〜1962年。グリルの形状からして、前期型)の生き生きした姿を拝むことができます。手持ちの画像データの中から探してみたのですが、メインはトヨエースSKB型トラック(1954年)。初代クラウンは影に隠れています。次回遭遇時にはじっくり眺めることにしましょう。

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しかし、新興住宅地の新築一戸建てが400万円の時代に、低価格をウリにする新型スポーツカーの値段が100万円前後だったのですから、クルマは高嶺の花だったのですね。

印象に残った台詞は高松英郎の「惚れているが、のぼせてはいない」。印象に残ったシーンは、叶順子が相手の目を盗んで封筒の中身を見るシーン。チャプター飛ばそうかと思うほど、胸の鼓動が高鳴りました。


黒の試走車 (岩波現代文庫)

黒の試走車 (岩波現代文庫)

  • 作者: 梶山 季之
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 文庫



黒の試走車(テストカー) [DVD]

黒の試走車(テストカー) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川ヘラルド映画
  • メディア: DVD

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