【フォーミュラE】ピットで30秒間急速充電するPIT BOOSTが始まる

フォーミュラEは2月14日、15日に行われるシーズン11のサウジアラビアラウンド(第3戦、第4戦)から、PIT BOOST(ピットブースト)を導入すると発表しました(写真はすべてFormula E)。

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レース中に34秒間静止するピットストップを義務付け、この間に600kWの出力で30秒間の急速充電を行い、3.85kWhの電気エネルギーを補充するというもの(計算上は5kWhになりますが、効率等を差し引いている? 上限を3.85kWhに設定?)。

レース中に使うことができる電力量が10%増えるので、これによりレースの戦略や駆け引き(アタックしたり、ディフェンスしたり)に厚みが生まれ、レースがよりおもしろくなるだろうという読みです。

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フォーミュラEが掲げる「レースの技術を量産車へ('race-to-road' technology)」の戦略の一環でもあります。

国内では現状、CHAdeMO規格の急速充電器が最高150kW、テスラーのスーパーチャージャーが最高250kWですので、600kWはかなり大きな出力ですね。

kWhあたり6km走れる量産電気自動車(BEV)にあてはめると、3.85kWhの電力量で23.1km走れる計算になります。1分充電したら46.2km、2分で92.4km……

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現行のATTACK MODE(アタックモード)は継続されるので、ピットブーストの導入により戦略的な要素がひとつ増えることなります。

急速充電を行うピットクルーは2名が上限(プラス、ストップ&リリースを行うクルーが認められます)。

同一チームの2台が同時にピットに入って急速充電を行うことはできません(1台ずつ行う決まり)。

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ダブルヘッダーで開催するイベントのうち一方のレースでピットブーストが適用される予定。

ということは、東京ラウンド(5月17日、18日、第8戦、第9戦)でもピットブーストが見られる?