ロボットアームでコンポジットテープを積層し成形するART工法

マクラーレン・オートモーティブはイギリス・シェフィールドにあるマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)に、オートメイテッド・ラピッド・テープ(ART)と呼ぶ新たな工法を導入したと発表しました。

マクラーレンW1のアクティブ・フロントウイングの固定プレーンに、ARTで製造したカーボンコンポジットが適用されています。

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マクラーレンW1はこんなカタチです。

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詳細はこちら↓
https://cars.mclaren.com/jp-ja/W1

マクラーレン・オートモーティブの説明によれば、ARTは航空宇宙産業由来の技術で、ロボットアームでコンポジットテープを積層し、成形する手法。

これにより、プリプレグ(樹脂を含浸させた炭素繊維のシート)を手作業で敷き詰めるのに比べ、高速かつ超精密だと説明。

積層ヘッドは固定。マシンベッドが素早く動く仕組み。

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従来の工法とは異なる独特のビジュアルとなっています。

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「コンポジット素材内部の炭素繊維の方向を細かく調整できるため、素材の『異方性』を生かした剛性が実現。特定の方向で剛性を強化し、他の方向では柔軟性を確保」する使い方が可能。

また、「接合部のような大きな応力や負荷がかかる部分には炭素繊維を集中させ、負荷の小さな部分では不要な素材を削減できる」と説明しています。

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さらに、「長さを正確に測定したドライ・コンポジット・テープを積層していくため、再利用できないふぞろいな切れ端を大幅に削減できる」とのこと。

つまり、製造時間の短縮とコスト削減にメリットあり。

将来的には、ボディパネルだけでなくタブ(モノコック)への適用も検討しているそう。

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ARTの公式紹介動画はこちら↓