歴代トヨタF1マシンのリヤサスペンションまわり

Xにポストした内容をまとめます。

歴代トヨタF1マシン(TF101〜TF110)のリヤサスペンションまわりを見ていきましょう。

TOYOTA TF101(Test Car) - 2001
2002年のF1参戦に向けたトヨタのテスト車両、TF101のリヤサスペンションまわり。

設計はトヨタGT-One(TS020)を手がけたアンドレ・デ・コルタンツ。

アーム類はスチールの板金。

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TOYOTA TF102 - 2002
トヨタF1の実戦第1号マシン、TF102(2002年)のリヤサスペンションまわり。

6速ギヤボックスケーシングの上面にコントローラーが載っています。

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TOYOTA TF103 - 2003
基本構成は前年のTF102を受け継ぎますが、左右同相の動きを制御するセンターエレメントが追加されたのが大きな違い。

ギヤボックスはこの年から7段に。

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TOYOTA TF104 - 2004
ギヤボックスケーシングはそれまでのアルミ合金からチタン合金に変更し、キログラム単位で軽量化。

サスペンションアーム類はロワーウィッシュボーンを除いてCFRP製に。

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TOYOTA TF105 - 2005
TF104とTF105はロッカーアームに収まるコンパクトさを歓迎し、ローテーショナルダンパーを採用。

この年からアーム類はすべてCFRP製に。

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TOYOTA TF106 - 2006
TFシリーズで唯一、ダンパーを前後方向に寝かせて搭載する縦置きレイアウトを採用。

そのダンパーはザックスからペンスキー製にスイッチ。

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TOYOTA TF107 - 2007
ダンパーの搭載は横置きに戻しています。

2006年後半から、加速度に比例して反力を出し、ヒョコヒョコした動きを抑えるイナーター(ボールシャフト上をフライホイールが回転する構造)を適用。

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TOYOTA TF108 - 2008
レイアウトやユニットの構成はTF107を踏襲。

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TOYOTA TF109 - 2009
トヨタTF109が7ポストリグに載っている様子。

エンジンがストレスマウントである様子(に加えて低い位置にあること)がよくわかります。

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下はエンジンカウルを外した状態。

2025年のF1マシンのホイールベースは最大3600mm(規定)ですが、TF109のホイールベースはTF108比+60mmの3200mmでした。

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TOYOTA TF110(Did Not Race) - For 2010
2009年シーズン限りで撤退したため、実戦未投入に終わったトヨタの2010年型F1マシン、TF110のギヤボックスまわり。

センタースプリング同軸配置のイナーターは非搭載の状態。

オーリンズ製のダンパーはF1初進出を果たすはずでした。

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TF109については『Motor Fan illustrated 特別編集 F1のテクノロジー』で詳しく解説。

https://www.as-books.jp/books/info.php?no=MFS20100301

TF110については『Motor Fan illustrated 特別編集 F1のテクノロジー3』で詳しく解説しています。

https://www.as-books.jp/books/info.php?no=MFS20110414